花よりも美しく
京で実る淡い花の蕾
文字通り、それはつれ回すということだった
忍のスケジュールは、驚く程詰まっていて、休憩など挟む暇もない
(私、ついてこない方が、よかったんじゃ・・・)
洋服に着替えた月子は、忙しそうな忍の横顔を見つめながら、そんなことを思った
声をかけることすら、申し訳なく思えて、月子は忍を見ていることしかできない
「どうかしたのか?」
「い、いえ。忙しそうだなぁ、と思って・・・」
急にこちらを見た忍に、月子の声が高くなる