花よりも美しく


見つめていると、月子は怖くなって、手元へと視線を落とした


「桃色、桜色、梅色。もしくは、藍色か、紫。迷いますね」

「・・・・・・・・・・・・」


こんなことをしていて、いいのだろうか?

忍は仕事中だというのに


「・・・・・・・・・私、忍様とは幼馴染みなんです」

「え・・・?」

「分家に生まれて、安藤に嫁いだ今でも、心は昔のまま。・・・貴方が羨ましいわ、月子様」


視線があえば、その笑顔に怖くなる


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