花よりも美しく
自身の行動を反省したのか、栞は切り刻んだ着物を集め出す
「わ、私・・・」
「困らせてしまって、ごめんなさい。・・・でも、あの家に嫁いだこと自体は、同情するわ」
笑う栞は、以前ほど怖いと思わなかった
「家を守るために、自分の気持ちを殺している。・・・貴女は、どうなのかしらね?」
「・・・・・・・・・?」
月子が栞の言葉の意味を理解する前に、襖が勢いよく開いた
「・・・・・・御機嫌よう、忍様」