花よりも美しく


見上げれば、不機嫌そうな忍の顔


「あ、あの・・・」

「彼女を連れ出したのは、君か?」


忍の視線は、月子から栞へと移る


「えぇ。本家から、月子様に着物を買いたい、と連絡をいただきましたので。夫のかわりに、私が参りました」


気にした様子もなく、栞は忍の質問に答える


「・・・・・・・・・・・・用は済んだんだな?」

「後で、いくつか本家に送らせていただきます」

「なら、月子を返してもらっても?」


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