花よりも美しく


そんな寝顔を見ていると、自然と微笑んでしまう


「・・・・・・・僕も寝るか」


隣の布団で横になろうとすれば、忍の動きが止まる


「袖・・・」


月子がしっかりと、忍の浴衣の袖を掴んでいる

離そうとすれば、更に忍の動きが止まる


「・・・・・・ッ!!」

「・・・・・・・・・おかあ、さん・・・」


一筋零れた涙と呟き

それが、一瞬で忍を現実に気づかせた


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