花よりも美しく
優しい笑顔、散る
真っ赤に染まる空は、月子を早く帰ろう、と急かしているよう
忍が優しい気がするのは、きっと気のせい
自身に言い聞かせて、月子はイスから立ち上がる
「・・・・・・・・・月子ちゃん?」
教室を出ていく月子の姿に、真子は何も言えずに見送っていた
校門に見える、向かいの車
見た瞬間、胸が苦しくなった
逃げ出したくなって、月子は正門とは正反対の、裏門へと駆け出した