花よりも美しく


電源を切っていたせいで、電話に出れなかった

自分の責任だと、月子は携帯を握り締める


「・・・・・・月子」

「私・・・、わた、し・・・・・・」


混乱する頭が、ズキズキと痛み出す

病院についても、その痛みは治まってはくれなかった






怖くなった

静かに、眠っているような母の姿に、怖くなった

明日の朝になれば、また優しく笑ってくれる気がしてしまうから


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