花よりも美しく


「5回目で、ようやく食事に誘えた。付き合えると知ったときは、一生分の運を使いきったと思った。結婚できた時は、世界中で一番幸せだと思った」


父にとって、母は誰よりも、何よりも大切

そんな母のために、寝る間を惜しんで働くことは、なんの苦でもなかった


「お前たちが生まれたときは、嬉しくて嬉しくて・・・。いつか離れていくと分かっていても、お父さんは幸せだと思ったよ」

「・・・・・・遺言みたい」

「確かにそうだな。・・・お父さんは、まだ死なないよ」


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