花よりも美しく
優しく笑う父に、月子は涙を我慢した
「月子・・・。忍さんと、別れてもいいぞ」
「・・・・・・でも・・・」
父の言葉に、月子は慌てる
自分が姉のかわりに結婚したことで、父は職を失わずにいれたのだ
別れることなど、できない
「お父さんが必死に働いてたのは、お母さんのためだ。そのお母さんは、もういない。月子、もう、無理をしなくてもいいんだよ?」
月子が園村にいる理由がなくなった
無理をして、姉を待つ必要もない