花よりも美しく
涙が出ない夜
静かだと思う
たった1人いないだけで、離れが広く思える
「今までは、これが当たり前だったのにな・・・」
傍にいるのが当たり前だと思うようになっている自分に、忍は自嘲の笑みを浮かべた
帰って来ないなら、それでもいいのかもしれない
これを機に、何かが変わる予感がしていた
「・・・・・・・・・・・・月子」
君がいないのは寂しい
けれど、傍にいたら、君が寂しい思いをするだろう