花よりも美しく
月夜に梅の木の下で
忍が帰って来ない園村の離れで、月子は梅の木を見上げていた
自分がどうするべきか
自分の気持ちが、分からない
考えれば考えるほど、答えが見つからない
「・・・・・・月子さん?」
「・・・・・・・・・・・・おばあ様」
突然現れた珠子に、月子は立ち上がろうとする
「いいのよ、そのままで」
「ありがとうございます」
座り直して、月子は隣に座る珠子の言葉を待った