花よりも美しく
過去と今と姉と妹


月子が園村の家で待つ頃、忍は月子の姉・麗子を前に、うつむいていた

時を刻む秒針の音が、いやに大きく、耳に響く


「忍・・・」

「・・・・・・なんだ?」


沈黙が破られ、忍は顔を上げる


「結婚生活は、どう?月子、笑ってた?」

「・・・・・・救われてばっかだった。彼女は、無理して笑ってるように見え、る」


忍の答えに、麗子は苦笑する


「がんばり屋だから、あの子」


< 253 / 361 >

この作品をシェア

pagetop