花よりも美しく
過去と今と姉と妹
月子が園村の家で待つ頃、忍は月子の姉・麗子を前に、うつむいていた
時を刻む秒針の音が、いやに大きく、耳に響く
「忍・・・」
「・・・・・・なんだ?」
沈黙が破られ、忍は顔を上げる
「結婚生活は、どう?月子、笑ってた?」
「・・・・・・救われてばっかだった。彼女は、無理して笑ってるように見え、る」
忍の答えに、麗子は苦笑する
「がんばり屋だから、あの子」