花よりも美しく


微笑む2人は、友人として別れを告げた


「ふぇ・・・」

「起きちゃったの?」


泣き出した我が子を抱き上げ、窓から去っていく車を見送る


「──坊やは、よい子だ──」


子守唄が響く日野家は、その後静かに灯りが消えた






「月子ちゃん?」

「・・・・・・・・・理生さん?どうしたんですか?」


申し訳ないような、弱い笑みを浮かべた理生が、月子の名を呼んだ


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