花よりも美しく


見上げた梅の木

まだ、咲かない梅の木


「月子ちゃん・・・?何か、あったの?」

「自分の中で、いろいろと整理をつけて、大切なことを決めたんです」


笑う月子は、強く見えたのに、同時にとても弱く見えた


「大切なことを、決めたんです。・・・とても、大切なこと」


小さく、それでいてしっかりとした声音は、夜の闇の中に溶けて、消えた──


< 261 / 361 >

この作品をシェア

pagetop