花よりも美しく


笑おうとしたが、涙が出そうで、笑えない


「初めは、君のことが嫌いだった。けど・・・」


触れようとして、月子が首を振る


「・・・・・・何故?僕が、嫌いか・・・?」


忍の問いに、月子は再び首を振る


「・・・・・・月子・・・」

「間違いだったんです」


涙で濡れた自分を、見られたくなかった

うつむいたまま、月子は言葉を口にする


「貴方と私は、本来なら結婚することはなかったんですッ」


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