花よりも美しく


「作品展、か・・・」


正直に言えば、行きたくない

ただ、店長の性格上、無理矢理連れていかれそうな気がする


「考えてても仕方ない。仕事しよ、仕事」


滅入りそうになる気持ちを払って、月子は仕事に没頭することにした







梅の香りが、間もなく芽吹きの季節が来ることを知らせていた

見上げれば、梅の花弁が散って、彼の手のひらに優しく舞い降りる


「兄さん、母さんが騒いでたよ?」


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