花よりも美しく
花の香りが満ちる中、警戒しながらでも、どこか楽しんでしまっている自分がいる
鮮やかな花
大輪の華やかな花
小さく可憐な花
様々な花に囲まれていると、警戒心も無くなりそう
「月子ちゃん、月子ちゃん」
「店長?」
いなくなったと思った店長が、月子を手招きしている
「どうかしたんですか?」
「園村家の次期当主の作品、見た?」
「見てないですけど・・・」
にっこり笑うと、店長は月子の手を掴んで早足で歩き出した