花よりも美しく


「これよ、これ。綺麗よねぇ。しかも、愛に溢れてる」

「・・・・・・【愛しき月を偲ぶ】・・・」


タイトルを読み上げて、月子は作品に視線を移す


「次期当主、恋でもしてるのかしらね~」

「・・・・・・そうですね」


自分のことかもしれない

一瞬、そんなことを思ってしまった自分が、浅ましくて恨めしい

月子は笑って、店長と共に作品展を後にした


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