花よりも美しく


寝室に足を踏み入れれば、肌に痛いほどの張り詰めた空気に、足がすくむ

寝室の主・園村 忍が、月子の来室に気づいて、振り返る


「何をしてるんだ?」

「す、すみません・・・」


ベッドの傍まで来て、腕を強引に引かれる


「キャ・・・ッ」


押し倒される形になって、自分に覆い被さる忍を見上げる

黒く柔らかな髪、切れ長の瞳は東洋の美しい男子の顔そのもの


「・・・・・・・・・ッ」


浴衣の衣擦れ音が聞こえて、月子はシーツを握りしめる






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