花よりも美しく
抱きついた背中から香るのは、優しい梅の香り
暖かい背中に抱きついて、月子は泣きながら話し出す
「い、行かないで・・・ッ」
「月子・・・?」
今度は、忍が状況を理解できない
背中に感じる体温に、忍は首だけで振り返る
「お願、い・・・だから・・・」
泣きながら、言葉を口にする月子
「・・・・・・??」
「好きなの・・・。好き、なの・・・ッ」
「つ、月子・・・?」
「行かないで・・・。嫌わないで・・・」