花よりも美しく


小さく震えた声を、背中越しに感じる


「なんで・・・」

「好きって言ったら・・・、困らせるから・・・」

「困るって・・・。どうして・・・」

「浅ましいでしょ?お姉ちゃんのかわりに結婚して、貴方の自由を奪ったのに・・・ッ。好きなんて言えない・・・ッ!愛してなんて、浅ましいこと・・・」


涙が止まらない

自分でも、何を言っているのか分かっていない

気持ちに任せて流れ出る言葉に、一番戸惑っているのは月子自身


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