花よりも美しく


白い指を彩る梅の花

泣きたくなって、忍はそれを隠すように、月子を抱きしめた


「愛してるよ、僕の花・・・」

「・・・はい。私も、愛してます」


抱きしめた2人に降り注ぐのは、満開の梅の花びらと、カメラのシャッター音

間もなく芽吹きの季節


少し早く咲いた花は、美しく華やかに


その場のどんな花よりも美しく

包み込む梅の香りは、2人のために、その薄紅色の花びらを散らしていた


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