花よりも美しく
本当のこと
学校から帰ると、珍しく美登里がいなかった
いつも帰ると、礼儀作法や茶道、華道を勉強させられるのだが、美登里がいないため、今日はしなくてもいいことになった
「ふぅ・・・」
深いため息を漏らして、月子は制服を着替え始める
─────ガタッ
「ヒャ・・・ッ!!」
襖が開いて、月子が小さく声を上げる
「あ、忍さん・・・?」
今日は珍しいことがよく起きる
忍が自分の部屋に来るなんて、初めてじゃないだろうか?