花よりも美しく
真子と共に、月子は校舎を後にした
桃の香りがする湯船に浸かって、月子は深く息を吐く
「夏休みか・・・。1日くらい、家に帰ってもいいかな・・・?」
園村家に来て以来、一度も実家に帰っていない
父の様子も気になるが、何よりただ帰りたいと思う
「お義母様、許してくれるかな・・・?」
聞くのは怖いが、勝手に出かけるわけにはいかない
考えながら浸かっていると、少しくらくらしてきた
「あがらなきゃ・・・」