花よりも美しく
立ち上がり、湯船から出れば、火照った体が外気に触れる
それは寒いよりも心地好くて、月子はしばらく、脱衣場で時間を潰していた
────ガチャ・・・
「いない・・・?」
寝室へ行けば、忍の姿がなく、月子は少し驚いた
いつも、自分より先にいたのに・・・
「先に寝てて、いいのかな・・・」
10時を指す時計を見て、月子は躊躇いながらも、ベッドに横になる
いつも端の方で寝ていたが、忍がいないと広く見える