花よりも美しく


肩を叩いた瞬間、腕を引っ張られた

気づけば、忍の腕の中にいた


「あ、あの・・・ッ」


予期せぬ事態に、うまく言葉が出てこない

耳元に感じる吐息は、お酒の香りを放っている


「僕を見るな・・・。僕は僕だ。・・・次期家元なんて名前じゃない・・・・・・ッ」

「・・・・・・・・・・・・忍さん?」


名前を呼べば、忍の体が小さく震えた


「・・・・・・・・・忍さん?」

「・・・・・・気持ち悪い」

「えっ?!」


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