花よりも美しく
もう一人の母親
美登里の自室を訪れた月子は、美登里がアルバムを見ている場面に出くわした
「あら、月子さん?」
「すみません。急用ではないので・・・」
「いいのよ。別に重要な事じゃないから」
襖を閉めようとした月子を、美登里が呼び止めた
アルバムを閉じると、美登里は月子を見上げた
「それで、用件は?」
「あ、はい」
美登里の前に腰を下ろし、月子は話を切り出す
「もうすぐ夏休みなんですけど、1日だけ実家に帰りたくて・・・」