花よりも美しく
汗を拭ったハンカチを握りしめ、忍は深く空気を肺に送り込む
「大丈夫ですか?無理しないで、帰っても・・・」
「いい加減、向き合うべきなんだ」
「・・・・・・・・・・・・」
青い顔をする忍に、月子は何も言えない
「君が僕を心配する必要はない。気にしないでくれ」
呼吸は落ち着いてきたが、声には力がない
「そう言われても・・・」
すぐ傍で苦しんでいるのに、ただ見ているだけというのは辛い
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