ひかり
あたしは3年3組。
クラスメイトは見覚えのある顔の人たちばかり。
特にワクワクとかはない。
風真と梓の他によく話すのは、担任の川瀬先生。
男の先生でなんていうか・・・・・・チャラい。
喋り方とか見た目からして怖い感じ。
でも、なんだかんだいって優しい先生。
あたしはそんな先生が好きだった。
・・・・・・誰にも言わなかったけどね。
もちろん恋愛としてみてたわけじゃない。
ただ、スキだって思われたくなかった。
風真との下校時、毎日のように先生の悪口を言った。
「あのね、先生が今日もあたしに向かって睨んできたの!むかついてきもいっていっちゃったあ!」
なんて風真にいうと風真も共感した。
「あー川瀬は元ヤンでしょ。俺もキモイと思う。」
本当はきもいなんて思ってなかったんだよ。少しも。
でも、なぜか言えなかった。
自分でも本当に分からない。
悪口を言って先生の情報を聞きかったって言うのもあるきがする。
あたしってつんつんしてる。
「じゃあ送ってやっか?今日だけ!」
風真があたしの帰り道に向かった。
あたしはその後姿を引き戻して、首を振った。
「いいよいいよ!気持ちだけでいいの!あまり優しくされたくないし!ばいばーい」
風が体を透きぬけたような気がした。
走ってあたしは帰る。
「たまには女らしくしろよばーか!」
後ろで風真の声が聞こえた。