ひかり
消えない想い
小3の誕生日の日。
あれは覚えている限りの記憶で1番幸せな時間だった。
「お父さんお母さんどうしたの?」
「これ、あけてみろ」
優しく微笑むお父さん。
「なあに?」
ワクワクしながらピンクのリボンを引っ張った。
「喜ぶかなぁ。夏恋はもう3年生なのにこんな・・・・・・。」
中にはリカちゃん人形。
正直もう好きじゃなかった。
「うん・・・・・・ありがと。」
夏恋が沈み込むとお父さんが夏恋にこういったの。
「一生懸命探したんだ。昔夏恋それ欲しがってて絶対にあげたくて。でも遅かったよな。今更こんなの。ごめんね。」
箱の裏の店名を見ると「沖縄県」と書いていた。
夏恋の家は北海道。わざわざここまで・・・・・・。
夏恋はすごく嬉しかった。
「ううん!嬉しいよ!世界で一番素敵なプレゼント!」
お母さんも笑った。
「また来年、楽しみにしててね。」
「そうだなあ。今度はもっとすごいのだぞ!」
「やったー!お父さん大好き!お母さん大好き!」
あの頃のお母さんとお父さんの胸は本当に温かかった。
夏恋の愛する家族だった。
でも・・・・・・次の年の夏恋の誕生日に、2人は離れ離れになったの。
愛がない家族じゃなかった。
愛はあった。
でも、なくなっちゃったんだね。
もう、吐きそうなくらい今は大嫌い。
自分が生まれた日。