ひかり


受験も刻々と迫っていた。
夏恋のランクは志望校にギリギリになっていた。
最近勉強不足でテストで結果を残せずランクが下がったのだ。
ここからまたランクをあげるのは難しいと言われ高校のランクを落とすかギリギリ受験か選ばなきゃいけない。
ギリギリ受験は当日点が高くなければいけない。
ランクを落とすと余裕。
どちらも夏恋には決めようが無い選択だった。


 「今日は真っ直ぐ家帰るよね?」
事情を知っている梓は1人で帰ろうとしていた。
どうやら寄り道がしたっらしいが夏恋は行かない。
 「うん。ごめんね。」
早歩きで教室を出た。


帰り道ずっと考えた結果、ギリギリ受験を選んだ。
去年の最低合格ランクで夏恋は高校を受験する。
これはとても簡単なことではない。
今は少しでもランクが戻るように努力して戻らなかったら当日点にかけることにした。
それを、麻那ちゃんや遥は反対した。
 「やめなよ!何言ってるの・・・・・・。私立高校のお金なんて払えないよ。」
 「うん。そうだな。・・・・・・でも受けたいんだろ?」
夏恋が頷くと2人とも応援のまなざしを向けてくれた。
 「絶対受かってね。」
受からなきゃいけなくなる。
こんなプレッシャーにも勝つ自信は満々だった。


そして夏恋がもう1つやらなきゃいけないことがあった。

   遥と別れること

遥とは純粋な家族でありたい。
恋愛的に遥を見ていないことを、伝えなければいけない。
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