ひかり

結局、あたしは家に帰ることになってしまった。
警察はすごい。
あたしをたった数分で見つけてしまう。

家に帰ると見たくもないあの顔。
 「夏恋っ!大丈夫だった?」
・・・・そんな言葉は少しもなくすれ違った。
ふかふかのベッドにうつぶせになって落ち着いた。
泣こうかと思った。
いっそのこともう・・・。
でも泣かない。
あたしは弱いと思われたくなかった。
お母さんに負けたくなかった。


翌日、あたしは中学校に行った。
久しぶりの通学路。
同じ制服の男女がうじゃうじゃいる。
こんな新鮮な環境にあたしがいる。

教室に入るとみんながあたしを虫を見るような目で見てきた。
どうせあたしは汚い。
だからいいんだ。
でも、1人だけ頭がおかしい人がいた。
 「夏恋!今日遊べる?」
可原だった。
 「まあ・・・・」
断る理由もなくオッケーした。
あたしが虫以下の女でも可原はあたしを人間としてみてくれる。
良い人すぎる。
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