ひかり
とはいっても、このとおりあたしは可原美羽を名字で呼んでいる。
そこまで親しくないし。
遊ぶような仲でもなかった。
あたしとは世界が違う幸せそうな可原とは・・・・

マックで待ち合わせ。
あたしはなぜかドキドキしていた。
友達と遊ぶなんていつ以来だろうか。
ショートパンツにチェックのチュニック、黒のダッフルを着てブーツも履いた。
楽しみもあれば不安もある。
可原が来ないんじゃないかって。
あたしは裏切られるのには慣れてるからいいけど。
 「夏恋ーっ!待ったぁ?」
ハイテンションで走っている可原がきた。
ミリタリーコートに花柄ワンピ、可愛い帽子も。
 「夏恋の私服チョー可愛いね!」
そういわれてあたしが照れると、クスクスと小さく笑った可原。
 「お腹すいたなあ。マックマック!」
あたしの腕を引っ張りマックに突っ込んでいく。
 「待って!」
あたしが呼び止めると可原はきょとんとした。
 「あたしお金ないの。」
・・・貧乏なやつだと思われた。
きっと思われた。
今日であたしたちの関係は・・・・
 「そうなの!?なんだー。じゃあ美羽、ポテトL買うから半分食べてね!美羽L全部食べれないんだもーん!」
心を打たれた。
可原は、きっと他の人と違う。
こんな人初めて。
可原ならあたしを裏切らないかもしれない。
あたしを天国に連れていってくれるかもしれない。
そう思うようになった。
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