大好きの本音と
はむっとプチトマトを食べながら、あたしの肩をぺしぺし叩く。
「あたしはいつもネガティブだよ」
「まぁいぃちゃ~んっ」
もうもうもうっ!ってギュッと眉を寄せてあたしの腕をつかむ。
それはもう勢い良く。がしっ!と。
「舞ちゃん、見てるだけじゃ始まらないんだよ?叶わないって決めつけないで、気持ち伝えてみようよっ」
泣きそうな小春。
こんな真剣な小春は、久しぶりかもしれない。
『ほら、せっかくの綺麗な顔が台無しですよ』
先生にとってのあたしは隣人で。
隣人である以前に"生徒"で。
それもノートすらとらない上に、がん飛ばすような可愛くない生徒で。
あたしが気持ちを伝える?
大人の先生に?教師である先生に?
「…伝わる、かな」
ほぼ無意識に、零れ落ちたあたしの頼りない声。
自分でもびっくりするくらい情けない声。