大好きの本音と



はむっとプチトマトを食べながら、あたしの肩をぺしぺし叩く。


「あたしはいつもネガティブだよ」

「まぁいぃちゃ~んっ」


もうもうもうっ!ってギュッと眉を寄せてあたしの腕をつかむ。

それはもう勢い良く。がしっ!と。


「舞ちゃん、見てるだけじゃ始まらないんだよ?叶わないって決めつけないで、気持ち伝えてみようよっ」


泣きそうな小春。

こんな真剣な小春は、久しぶりかもしれない。


『ほら、せっかくの綺麗な顔が台無しですよ』


先生にとってのあたしは隣人で。

隣人である以前に"生徒"で。


それもノートすらとらない上に、がん飛ばすような可愛くない生徒で。


あたしが気持ちを伝える?

大人の先生に?教師である先生に?


「…伝わる、かな」


ほぼ無意識に、零れ落ちたあたしの頼りない声。

自分でもびっくりするくらい情けない声。



< 7 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop