大好きの本音と
でも、小春は目を見開いてきょとんとしてから、すぐにいつもの表情に戻って笑った。
「舞ちゃんなら絶対大丈夫!あたしも応援するからっ」
「……う、ん」
戸惑いながらも、頷いたあたし。
想いを伝えてみようとか、頑張ってみようとか。
こんな気持ちになるなんて。
……あたし、相当重症だ。
それも、あんな先生のために。
きっと今晩、雪降るよこれは。
最後に残ったにんじん。
口に運んで、顔をしかめた。
「…まずい」
……あぁあ。本当にあたし、どうしちゃったんだろう。
ぼんやり考えながら思う。
大嫌いなにんじんを残してたのがいけなかったんだ。
いつの間にか飲み干していたお茶。
口の中が死ぬほど嫌いなにんじんの風味でいっぱいになる。
「吐き気する…」
「えっ!ま、舞ちゃん!?」
その日の昼休み、あたしは本気で死にかけた。
あんなの食べ物じゃない。
にんじんなんて大嫌いだ。