青春音楽





「じゃあ外で練習してくんね!」



笑顔で音楽室を出る紗由に、私は手を振って見送る素振りを見せた。



「紗由って……ほんま練習好きやんな」



麻里は感心して言ったのか、馬鹿にして言ったのか私には分からない。


恐らく、こんな部で一生懸命練習しても意味が無いのに、ということだろう。



「そうやな〜。私には真似出来んわ」



今日だって本当はクラブなんて休みたかった。


こんな部で練習しても、無駄なのは分かってるから。


だが一応部長ということもあって、責任を多少なりと感じて活動日は出席するようにしている。



麻里は家にいてもする事がないといって、なんだかんだ出席している。




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