春夜姫
「ちょっと耳を手で塞いでいて下さい」
春夜姫が言われたようにすると、青い鳥は歌を歌い出したのです。
不思議なメロディでそれはそれは酷い歌声です。雑音、と言った方が良いかもしれません。そしてとても大きい声でした。暖炉に飾られたお皿ががたがた鳴り、窓もぴしぴし言います。城の全ての者の目を覚まさせ、国中に歌が響き渡りました。
しかし、そのうちに小瓶にひびが入りました。その亀裂はすぐに大きくなり、ぱりん、と音を立てて小瓶が割れたのです。