春夜姫
「誰だい」
「春夜です、魔女のおばさま」
「ああ、待っていたよ。さあ、お入り」
その声はとても嬉しそうでした。
春夜姫が家に入ると、そこは外から見たのとは全く違う、明るくて暖かく、お茶とお菓子の匂いが漂う素敵なところでした。魔女の顔も穏やかで、春夜姫は安心しました。魔女はお茶を出して言いました。
「私は、お前の両親と約束をした」
「はい、聞いておりますわ。わたしが初めにおばさまにあげたものを、おばさまはわたしからもらう、と」
魔女は満足そうに頷きました。
「さあ、いただこう。お前が私に最初にくれたもの、それは私に答えたその声だよ」