春夜姫
 昔むかし、ある国の王様には、三人の息子がありました。

 王様は三人の息子たちをとても愛していましたが、彼らに遺せる国は一つしかありません。

 別の国で、子どもたちがどれほど王様を愛しているかを熱弁し、それによって国土を分け与えた王様がありましたが、その国はすぐに滅んでしまいました。

 この国の王様はその話を知っていましたので、三人の息子たちの納得のいくように国を遺すにはどうしたものかと、日々悩んでいらっしゃいました。
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