春夜姫
「弁明をさせておくれ。儂なりに姫を救おうと奔走し、そしてこの、夏空に出会ったんじゃ。儂が姫に授けた祝福は、どうやら儂にも効いてしまった」

 夏空は何の話かと思いましたが、春夜姫はおじいさんの正体に確信を持ちました。春夜姫に誰からも愛されるような優しい心を授けたひと――


 白いひげのおじいさんは、夏空の王子と春夜姫の顔を見て、満足げに頷きました。
「いつまでも、見守っておるよ」
 そして、現れた時と同じように光を放ち、消えてしまいました。

 残された二人は、幸せな気持ちでいっぱいでした。












春夜姫
『鳥になった王子様』

おわり
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