~Snow White~『最終巻』
「雪湖をここにおいておくの?」


学校から帰ると声がした。

千秋の声だった。


「18までは約束だ。」
竜平の短い言葉が聞こえた。


「真冬が動揺するんじゃないの?
今一番見たくない顔でしょ?」


「今日、真冬に話してきたよ」



「なんて?」



「そう・・・だけよ。
すっかり表情もなくなってしまって
学校に戻ることができるのか
心配になったわ。」



「トモくんがついてるじゃん。」


「それはそうだけど。
どうしてあんなことに……
トモが私たちを裏切ってたなんて
まだ信じられないわ。
リュウを尊敬していたのに……」

夏絵の声が震えた。
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