~Snow White~『最終巻』
しばらく智久は雪湖の髪の毛に
顔をうずめていた。



雪湖は智久の背中を
心をこめて撫でてやった。


「いい匂い・・・・
風呂あがりだ・・・・・」



「うん・・・・」





「このままどこかに
さらっていきたい」




「さらって・・・・・」





「なんのしがらみも束縛もない
二人が一緒にいられる世界あるかな?」





「きっとあるよ・・・・」



二人の胸は押しつぶされそうだった。
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