~Snow White~『最終巻』
大きく深呼吸をして
玄関に足を踏み入れた。




真冬の靴があった。



リビングにはいろうとした時


「トモくん・・・・」
と真冬の声がした。



「どうした?」



「トモくんが好きなの。」



「わかったって・・・・」


懐かしい声に思わず口を抑えた。



「どうして結ばれちゃダメなの?」



「そういう法律だからさ。」



「どうして・・・・
きっとこんなに人を
愛することなんてないわ。」



「時が解決するから・・・・」



「解決なんてしなくていい。
法律も子供もなんにもいらない
結婚なんてしなくていい。
そばにいたい。
トモくんに抱かれたい・・・・。」



「真冬・・・・
ごめんな・・・・・・
俺の存在がおまえを追い詰めたんだな。」



真冬の泣き声が響き渡る
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