~Snow White~『最終巻』
「父が何を考えてるのか
わからなかった・・・・・。
人間として
誰が見ても可哀そうな雪湖に
してきたこと
私たちもそれに従ってきたこと
可哀そうな雪湖は
トモくんを同情させて
心を奪った。
あなたのその可哀そうな状況は
私たち家族を悪に
したてていく。」



真冬はふーっとためいきをついた。



「かわいそうなことをしてる
私たちは、あなたに罪悪感を持ったわ
だけど・・・・
あなたとの区別をつけるという
父の意見に子供心に
従ってきた。どんどん心がすさんでくる。
すさめば
雪湖の可哀そうさが
どんどん輝いて
トモくんは私たち家族を裏切った。
見てないとこで
あなたはトモくんを
自分のものにしようって
同情心を仰いだんでしょ?」




「そんな・・・・・」



「雪湖が悪いんじゃない
この間、ちーちゃんから聞いた
あなたの母親と
お父様の関係は
きっと
もっと複雑なんだと思う。
お父様は・・・・・
あなたの母親を想いすぎて
よく似てるあなたを
敬遠しているのかもしれない。」
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