~Snow White~『最終巻』
「あなたのやり方ってこういうことね。
自分では手を汚さず
一人一人裏切らせていく。
トモくん、ミツさん
それから美春ちゃん・・・・
みんなあなたの可哀そうな雪湖に
ひっかかってる。」



「そんな・・・・
そんなつもりは・・・・」



「あなたの周りの人間は
みな思っているでしょう?
大柴家は、雪湖を虐待してるって」



夏絵が立ち上がった。


「真冬・・・・
やめなさい・・・・・」



「だって・・・・
友達ができたの・・・・。
その子ね、雪湖のおさななじみでね・・・
もう会わないって言われた・・・
トモくんと同じくらい
素敵だって思えるくらいの子で
何かが変わるかもしれなかったのに
私の名前を知った後
私を憎しみに満ちた目で見たの・・・・
悲しかった・・・・・
私たちのしてることは
まぎれもなく酷い風に見えても仕方がないけど
だれもその訳を知ろうともせず
私を軽蔑しきった目で見るのは
耐えられない・・・・」



真冬は泣きだした。
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