~Snow White~『最終巻』
自分を不幸にしてきた
一番の原因だと思った。


雪湖は 竜平の前に進んだ。


「母はもうあまり記憶にないけど
白いバラが大好きで
花に負けないくらい透き通った
柔らかい肌をしていた。
優しくて・・・・キレイで・・・
いつも私に愛する人と
結ばれますように・・・
そう言っていた・・・・・。
今はわかるわ、自分が愛する人と
結ばれなかったから・・・・
私にそう言ったんだって・・・・」


竜平はため息をついた。



「母を捨てて、おばさまと結婚したのに
どうして母に執着するの?
可哀そうな父は
あなたの双子の弟は
あなたと双子なことを悔やんでたことでしょう。
母がどんな気持ちで父と
一緒になったのかはわからない。
私は母も軽蔑してるから
父が可哀そう・・・・・
父にあなたを見ていたような気がする・・・・
そんな二人の中に生まれた
自分を・・・
そんな母から生まれた自分だから
こんな人生なんだって
そう憎むことしかできない。」
< 169 / 397 >

この作品をシェア

pagetop