～Snow White～『最終巻』

第十二章

朝方、前と後の籠に荷物を乗せて
自転車で大柴の家を後にした。



行くあてはなかった。


美春のところに行ったけれど
応答はなかった。


後は、三原から
稔に連絡をとってもらうしか
なかった・・・・、



三原の連絡先がわからなかった。


時間をつぶして
大槻建設の札幌支社の電話番号を
電話帳で調べた。



「おなかすいた・・・・」



コンビニでおにぎりを買って
公園のベンチで
読みかけの本を読んだ。



「冬じゃなくてよかったわ」


つくづくそう思った。