~Snow White~『最終巻』
「嘘だろ・・・・・?」


洋平の顔はひどいものだった。


利香を胸に抱いて
守っていたのだろう

ガードレールを突き抜けて
崖を飛び越えた。



「おまえ・・・
なんで?利香を守るって
幸せにするって・・・・・・
なんで・・・・・・」


お互いをしっかり
結びあっていた。



利香の顔を見た。


まるで眠っているようだ。




「利香・・・・
起きろ・・・・・
迎えに・・・・迎えにきたよ・・・」


涙が嗚咽が
利香の顔を濡らしても
目を覚まさない・・・


「利香・・・・
起きてくれよ・・・・」


声をあげて泣いた・・・・


「俺のそばにいたら
俺のそばにいたら
こんなことにはならなかったのに」

冷たく
固くなった利香の頬に手をやった。
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