~Snow White~『最終巻』
成長していく雪湖が

利香に似てくるたびに


心が騒いだ・・・・・・。



高校生の頃


幸せだった二人を思い出す。


利香を捨てたのは自分だった・・・・・・


利香の過去
そして洋平の影におびえていたら

二人の間に隙間風が吹いた。


 全部俺のものにしたい

そう思うたびに利香が遠ざかって行く・・・・



抱きしめると
怯える目も自然に拒否する両手が
竜平の胸を押した・・・・・



虚しくて
夏絵を抱きしめた・・・・



雪湖の存在は
竜平を追い詰める・・・・



可哀そうな子だと思った・・・・・


だけど


愛せなかったのは


自分が情けない人間だから
それははっきりしていた・・・・・・。
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