~Snow White~『最終巻』
「俺のことなのに
勝手に動かれたら困ります。」


口調のきつさに
竜平は驚いた。


「まだそんな気分になれません。」
智久は言った。



「雪湖とどうにかなるとでも
思ってるのか?」


ドキンとした。




「別に・・・・」



「わかってるとは
思うが……
雪湖は絶対許さないからな。
おまえは俺の息子同然なんだ。
わかってるな?
おまえの立場を・・・・・」




「もう行っていいですか?
俺、仕事たまって大変なんです。」



「お、そうか。
悪い、悪い、
とにかく考えてくれよ。」


背中に声が聞こえたが
パタンとドアを閉めた。
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